2008年7月13日 (日)

くまくま看護戦記 (その5)

ところが。
その夜のことです。深夜に入った頃から、ご主人様の様子がおかしくなっていったのです。

ご主人様:(ごそごそ)
ぼく:「ど、どうなさったんですか、ご主人様?」
ご主人様:「熱い・・・それに痛い・・・・・・」
ぼく:「えええ?」
ご主人様:「水・・・それから痛み止め・・・・・・」

急速に元気がなくなってきたご主人様。
熱自体は高くはありませんでした。でも37度前半は健康な状態のご主人様の体温ではありません。でもでも出発48時間前の状況としてはあまりに不安です。
結局一晩中ご主人様の微熱と腹痛は続いたのでした。
そして翌朝。

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2008年7月12日 (土)

くまくま看護戦記 (その4)

病院の先生からK先生へのお手紙を預かっていたご主人様。明日の診察の予約を入れると意気揚々と旦那様に報告しました。

ご主人様:「病院の先生、出張行っていいって♪」
旦那様:「はあっ!!!?」
ご主人様:「えへへ、明日から発表練習再開しようっ!(*^_^*)」

眉間に皺を寄せた旦那様を余所にご主人様もぼくも出張の話題で盛り上がりました。

ご主人様:「いやー、一時はどうなることかと思ったけど、よかったよかった♪」
ぼく:「エール・フランスですものね!パリですものね!スペインですものね!」
ご主人様:「もちろん今回は自由時間はホテルでおとなしくしてるけどさ」
ぼく:「あ、ぼく、ちょっとお休みいただいてもいいですか?
    パリにもスペインにもハーバード時代の友達がいるんで」
ご主人様:「いいよー、ゆっくりしておいでー♪」

ぼくは出発がとっても楽しみになってきました。(^o^)
でも旦那様のご意見は違っていたようです。

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2008年7月11日 (金)

くまくま看護戦記 (その3)

結論から言うと、2日経ってもご主人様の病状は好転しませんでした。

ご主人様:「痛いよ・・・・・・痛いよ・・・・・・・」
ぼく:「し、しっかりして下さいっ!(ToT)」←お腹や腰をさすっている

発熱は37度前半くらいでたいしたことないのですが、もともと滅多に高熱が出ない体質のご主人様。なんとなくくたっとしています。そして腹痛。これが4、5時間周期くらいで極端な症状を見せます。落ち着いているときはしくしく痛む程度なのですが、ピークになると壁をドンドン叩いちゃうくらい痛いらしく、お腹を押さえて海老のように身体を丸めているご主人様。いただいた痛み止めを飲んでみたり、眠っちゃえば痛くないだろうとばかりに眠気を催す消炎剤を飲んでみたりしてしのぐのですがかなり辛そうです。

旦那様:「出張中止だね(きっぱり)」
ご主人様:「えー、でもK先生5日で治るっておっしゃったもの!」
旦那様:「君は海外を舐めているよ!(きっ)」
ご主人様:「とにかく明日また診察受けるから、そのとき相談するって」
旦那様:「そうだね(憮然)」

かくして夜が明けて開院と同時にK先生の診察を受けに出かけたご主人様。相変わらず微熱は引きませんが前夜程の痛みはなかったようです。

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2008年7月10日 (木)

くまくま看護戦記 (その2)

ぼく:「どんな具合なんですか、ご主人様!?」
ご主人様:「熱っぽい・・・・・・あと、腰が痛い・・・・・・」
ぼく:「腰、ですか?」

よく見るとご主人様、右腰の辺りを押さえています。

ご主人様:「それからお腹も痛い・・・・・・」
ぼく:「お腹って・・・・・・右下が痛いんですか・・・!」

お腹の右下。ぼくがそれで想像したのは・・・。

ぼく:「だ、旦那様?お腹の右下が痛くって微熱があるってなんだと思います?」
旦那様:「盲腸じゃないの?(あっさり)」
ぼく:「やっぱり!(がーーーーん!)」
ご主人様:「えー、でもそこまで痛くないよ?」
旦那様:「盲腸って慢性と急性があって、慢性の場合緩やかに痛みが続いたりするよ」
ぼく:「行きましょう!すぐにお医者様に行くんです!」

というわけで慌ててぼくはご主人様をホームドクターのK先生のところへ連れて行ったのでした。

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2008年7月 9日 (水)

くまくま看護戦記 (その1)

思わぬトラブルで危機に陥ったご主人様と旦那様。でもみんなでがんばったせいかなんとか乗り切れそうな予感がしていたのです。避難生活はやはりおうちの生活程の快適性は望めないですが、ぼくたちには希望がありました。

ぼく:「なんてったって来週はスペインで学会発表ですからね!(^o^)」
ご主人様:「いやー、世界一優雅な避難生活かもしれないよね!(^_^)」

そう!もうすぐパリ経由スペインの旅が迫っているのです。おまけに今回の航空会社はエール・フランス。あの機内食が美味しいので有名なところです♪

ぼく:「さあ、スペイン、目指してがんばりましょう!」

と、後始末と準備をがんばって来たぼくたちに暗雲が差し掛かったのは、浸水からちょうど一週間たった日のことでした。

ぼく:「あれ?ご主人さま、どうしたんですか?」
ご主人様:(ぱたっ・・・・・・)
ぼく:「え?ご主人様!ご主人様!しっかりして下さい!」

ぼくは慌ててご主人様を介抱しました。どうしよう、なんか熱が出てますよ!

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2008年7月 8日 (火)

くまくま後始末戦記

さて、一夜明けて翌日。
ご主人様も旦那様も急遽お休みを取って、後始末に奔走することになりました。
浸水当日は緊急事態特有のハイテンションに支配されていたご主人様も、自宅の惨状に思わずため息が絶えません。

ご主人様:「あー、敗戦処理って滅入る・・・・・・」
ぼく:「負けたんですか、ぼくたち?」
ご主人様:「くらん君。自分の領地で行われた戦争というものはね、
                本質的に勝者は存在しないものなのだよ・・・・・・」
ぼく:「はあ・・・・・・」

旦那様の方も微妙に浮かない顔です。

ご主人様:「君、締め切りどうするの?」
旦那様:「あー、なんか予稿に使う分のアドレナリンを
             こっちに使い果たしちゃった感じで・・・・・・orz」

こちらも見通しは暗いようです。
浸水状況は翌日になってもポタポタポタポタあまり変わりません。
驚いたことには朝日に照らされた我が家を巡回すると天井にびっしりと茶色い染みが滲み出ていたのです。

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2008年7月 7日 (月)

くまくま浸水戦記 (その5)

来日して8年。日本文化にずいぶん親しんできたぼくです。
礼法では「真」、「行」、「草」の3ランクに分かれていて、「真」というのが一番丁寧なのだとか。上の階の人が浸水中の我が家にいらして、ぼく、日本に来て初めて「真」の礼を目の当たりにしました。

上の階の方:「このたびは本当に申し訳ございませんでした!」

腰が本当に直角になってたんですよ!それを何度も何度もなさって・・・・・・。
ぼく、上の階の方がいらしたらいっぱいいっぱい言いたいことがあったんですけど、ちょっと勢いが削がれてしまいました。上の階の方は、ブルーシートに埋め尽くされた寝室と今まさにぽたぽた浸水中のリビングをご覧になって、またもや何度も「真」の礼をなさってからお帰りになったのですが、

旦那様:「ま、人間だれしも間違いってあるからね」
ご主人様:「まあねぇ。むしろ私なんていかにも加害者側にまわりそうだし」
ぼく:「それはそうなんですけど(ぶつぶつ)」
旦那様:「ま、うちとしてはきちんと補償してもらえればいいわけだし(^_^)」
ぼく:「・・・・・・かかるでしょうねぇ」
ご主人様:「かかるだろうねぇ(遠い目)」

大家さんのお話では天井も壁紙も張替えで、下手をすれば床も開けることになるかもしれません。推定金額としてはちょっとした高級車並みじゃないでしょうか。(_o_;

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2008年6月30日 (月)

くまくま浸水戦記 (その4)

とにかく一番心配な書斎を何とかしよう、ということになりました。

旦那様:「書斎の天井に穴を開けよう」
ご主人様:「え?」

思わず大家さんの息子さん兄弟を振り返ると、お二人もうなずいています。

大家さん御子息(兄):「どうせこの天井はもうだめです。全部張替えでしょう」
ご主人様:「そうなんですか?」
大家さん御子息(弟):「壁紙も、床も全部開けないといけないと思います」

実は。このときまでご主人様もぼくも事の重大さを理解していなかったかもしれません。
水漏れなんだから乾けば元通り、とか簡単に考えていたのです。でも事態はそんな程度ではすまなかったのです。最近のマンション・アパートの内装で使われているのは石膏ボード。これはある程度の耐火性はあるのですが、逆に水にはとても弱いのだそうです。つまり、建物の基礎部分のコンクリートの次の層がすべてやられたわけで・・・・・・。

ご主人様:「リビングも、書斎も、寝室も、キッチンも、水が来てるってことは」
ぼく:「どうなっちゃうんです、ぼくたち……?」

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2008年6月29日 (日)

くまくま浸水戦記 (その3)

さらに帰宅した大家さんの奥様、たまたま休暇中でらした大家さんの息子さん(兄&弟)まで救援に来てくださって、ついでにご主人様のご実家からおかあさままで駆けつけて下さって、みなさんご主人様を手伝って下さいました。
一番助かったのが大家さんの息子さん(兄弟)が持ってきて下さったたらいです。
Photo

こちらのこの写真、
ランプシェードから水が滴っているように見えますが、

実はこの中天井から配線を伝わった水が

ぎっちりたまっていたのです。

Photo_2 ここでたらいが出動!

ほら、子どもがプール代わりに使う大きなたらいがありますよね。
三人がかりでたらいを構えたところでリビングの薄い凹形の円形ランプシェードを外すと、ざざっと水が流れ込んできました。ぼたぼたと流れる水を床にたらいを置いて受け止めます。
その頃にはリビングの絨毯の1/3ほどはぐちょぐちょと水気を含み、それをみんなで手分けしてタオルで拭き取っていきます。結局、大たらいに軽く4、5杯は水が溜まっていきました。
       

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2008年6月27日 (金)

くまくま浸水戦記 (その2)

非常事態が起こると一見冷静な行動を取りがちなご主人様(でも実はかなり動転しちゃってるんですが)。即座に家の中を巡回し、被害認定に入りました。

ご主人様:「艦内チェック!浸水状態を把握せよ!」
ぼく:「アイアイマム!主戦場はリビングの模様です」
ご主人様:「すぐに風呂場からバケツを移送、応戦せよ!」

すぐに目に付いたのはリビングの窓際の壁、そして中央のランプシェードの辺りでした。

ぼく:「ば、バケツ持ってきました!タオルも!(≧o≦)」
ご主人様:「ブラビア君に水しぶきがかかってる!拭いて!」
ぼく:「は、はいっ!」

水が壁を伝ってきているのが不幸中の幸いでした。窓際にバケツを置くと、なんとか食い止められそうです。それでも水はポタッポタッポタッとかなりハイペースで溜まって行きます。でも恐ろしい事態はリビングだけではなかったのです。

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